いよいよ次戦に迫ったF1日本グランプリ。F1ドライバーも続々と来日を果たす予定だが、そんなF1ドライバーの“素顔”はどんなものなのだろうか? このコーナーでは、F1 RACING誌に掲載されたインタビューから抜粋、F1ドライバーの素顔を紹介する。第6回目は、ロータスのヤルノ・トゥルーリだ。

 5年間トヨタドライバーを務め、日本人ファンを愛し、日本人ファンに愛されたトゥルーリ。トヨタのF1撤退に伴い、今季は新興チーム、ロータスに移籍し、長期計画でチームを育て上げることに、現在情熱を注いでいる。速さに定評があり、昨年のチームメイト、ティモ・グロックから「1ラップの速さでは当代随一」と賞賛されている。2004年モナコGPでのポール・トゥ・フィニッシュが現在までの唯一の勝利。母国イタリアにブドウ園を所有し、ワインを作っている。

ゴーカートがすべての始まりだったね。始めたきっかけは何だった?
ヤルノ・トゥルーリ(JT):父親が趣味でやっていたんだ。母に連れられてよく応援に行ったよ。それがきっかけでTVのレース番組を観るようになった。大抵の子供がサッカーやテニスをやるように、僕はカートを始めたってわけさ。8歳の時だった。以来一度だってやめようとは思わなかったね。

多くのF1ドライバーのように自家用ジェットや大型クルーザーではなく、なぜワイン畑を?
JT:父や、マネージャーのルキオとも相談して決めたんだ。僕のお祖父さんは、以前この近くでワインを造っていた。随分昔の話さ。ここらじゃ人は水じゃなくワインを飲む。僕の、というより、家に代々伝わる情熱だろうな。父の夢でもあったんだ。僕はその手助けをしただけ。普段も父が面倒を見ているよ。ワイン造りを通じて、家族や友人、そして故郷との新たな絆が生まれた感じがする。自分が本来属する土地に根を下ろしている感覚は悪くない。

精神面は、ドライバーパフォーマンスにどの程度影響するだろう?
JT:メンタリティについてあまり真剣に考えたことはないな。どんな条件でも戦わなければならないのがドライバーだからね。それはそれとして、ドライバーが成績の良し悪しに関わらずチーム内で居心地がいいと感じていれば、いつも気持ち良く全力を出し切ることができるだろう。どのレースでも最後まで諦めず、少しでも上を目指して頑張ろうという気持ちが生まれるんだ。これはとても大事なことだと思うな。チャンピオンになるようなドライバーは、みんなそんな風に力を発揮してきたはずさ。

20歳そこそこの若手に先輩としてアドバイスすることは?
JT:この歳になって、色々なことが分かってきた。イタリア語で、“Osare di piu”という言い方があるんだ。“度胸一番”みたいな意味かな。僕はこれまで、何をやるにも一歩一歩着実にということを心掛けてきた。それがドライバーとしての自分の強味だと、これは今でもそう思っている。ところが、もっと攻撃的なアプローチを採った方が上手くいくことも、条件によっては出てくる。今では、そういう理解を踏まえて、じゃあどういう時に攻めたらいいのかを学んでいる最中なんだ。その他にも、ワザで切り抜けるとか、戦略で局面の打開を図るとか、色々と使い分けるコツも身についてきた気がする。

このインタビューはF1 RACINGの記事から抜粋したものです。
全文はF1 RACING 2008年11月情報号をご覧ください。

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